急激に普及したネット銀行は、今やすっかり定番になっています。オンラインでの取引に特化したネットバンキングの魅力は、一体どのようなところにあるのでしょうか。また、これだけ普及したからこそ、ネットバンキングを利用することの危険性やリスクについてもしっかり知っておく必要があります。
ネット銀行のメリット
ネット銀行を利用する時のメリットは、大きくわけて3つあります。
その1.複数口座の管理がラク
通常の銀行口座を使っていると、給料日に振り込まれたお金をクレジットカードの引き落とし口座や家賃引き落とし口座などに振り分ける必要があります。しかし、ネットバンキングの場合は振替手数料が無料のところも多く、自動振り替えでこうした手間を短縮させることができるのです。
その2. 銀行に行く必要がない
定期預金を作るのも、ネット銀行ならオンライン上で簡単に手続きを済ませることができます。わざわざ銀行に行くことなく、じっくり商品を見比べた上で手続きができるので、夜しか自分の時間が取れない会社員にもぴったりです。
その3.サービスがいい
一般の都市銀行や地方銀行などとは違い、ネット銀行は原則として実店舗を持ちません。そのため、施設維持費や人件費などをかけずに運営することができます。こうして浮いた経費を還元することで、住宅ローンなどの貸し付け金利は低く、預金などの預け入り利息は高い、ATM手数料は無料、などといったサービスが可能となっています。
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ネット銀行のリスク、デメリット
一見、メリットばかりのように思えるネット銀行ですが、利用の際には気を付けなければならないリスクも複数あります。
その1.IDやパスワードの管理が必要
ネットから銀行にログインするためには、専用のIDやパスワードなどが必要になります。振り込みパスワードが別に必要な銀行も多く、たくさんの情報を管理しておく管理能力が必須です。
自分でIDやパスワードを管理しきれないと感じている人は、少なくとも複数のネット銀行口座を申し込むべきではないと言えるでしょう。
ネット銀行では、多くの場合、パスワードの誤りが一定回数以上続くと、口座取引自体ができなくなってしまいます。こうなると、実店舗のないネットバンキングでの取引再開までにはある程度の時間が必要となってしまいます。気軽に使えるはずのネットバンキングですが、IDやパスワードの管理を怠ると、思わぬ手間と時間がかかる事態に陥ってしまうのです。
その2.気軽にお金を振り込めるので使い過ぎることも
ネット銀行では、思い立ったとき、すぐに口座へアクセスして振り込み手続きをすることが可能です。そのため、24時間いつでもインターネットショッピングの支払いや送金が楽々行えます。また、多くの場合コンビニATMの利用手数料が無料のため、どこでも気軽にお金を引き出せます。
これらはメリットにもなる反面、お金の使い過ぎを招くというデメリットにもなります。お金の管理が苦手な人や、いくらお金を使って、今どのくらい口座にお金があるのか、将来の支払い予定はどうなっているのか……、こうした質問にきちんと答えることができない人は、なんの気なしに必要なお金を使ってしまわないよう注意が必要です。
その3.給与受取口座として指定できないことも
最近では広く知られるようになったネット銀行ですが、古い体制の会社の中には、給与受取口座に指定できないという場合もあります。給与を他の銀行に預けておいて、それをネット銀行に後から移すというのでは、ネット銀行の良さも半減です。ネット銀行を使う時は、自分の勤めている会社の給与振り込み口座に指定できるのかどうかを事前に確かめておきましょう。
とても便利なネット銀行ですが、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。メリットとデメリットを理解した上で利用するようにしましょう。
(文/平野恵子)
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