「朝、缶コーヒーを買うサラリーマンはお金が貯まらない」
という話を聞いたことがあるだろうか。よくある通勤前のサラリーマンのひとコマのように見えるが、そこには節約下手ならではの考え方と危険な習慣が潜んでいる。
節約下手は習慣で損をしている
節約下手の多くは、「何気なく買ってしまうモノ」があるようだ。例えば、冒頭でお話したように、通勤前に缶コーヒーを購入するという習慣がある人を例に見てみよう。
完全週休2日制のサラリーマンの場合、おそらく、毎月の出勤日数は22日前後だ。もし、毎朝130円の缶コーヒーを買っていたとすると、1ヵ月あたり2,860円、1年で34,320円の支出があると考えられる。
缶コーヒーを購入すること自体は悪いことではない。しかし、「自分は毎朝缶コーヒーに130円を支払っている」という意識がないと、1年間で34,320円の使途不明金が発生していることになる。
30,000円という金額は、サラリーマンにとって大きな痛手だろう。新生銀行の『2015年サラリーマンのお小遣い調査』結果をみると、1ヵ月の男性サラリーマンの平均的なお小遣いは37,642円だった。つまり、無意識に缶コーヒーを毎朝買っている人は、1ヵ月分のお小遣いを気付かないうちに失っているのだ。
1円を笑うものは1円に泣く
「一円を笑うものは一円に泣く」ということわざがある。本来、「一銭を笑う者は一銭に泣く」が正しいようだが、私たち現代人の感覚からすると、一円という言葉のほうがしっくり来るだろう。
先述の缶コーヒーを例にとると、「たかが130円……」と侮っていると、1ヵ月のお小遣いをムダにしていることになる。もし、インスタントコーヒーを水筒に入れて自宅から持参したら、1杯あたり20円程度の費用で済むケースもあるという。職場へ水筒を持参している人は、節約下手と比べると1年間で約30,000円得しているのだ。
1ヵ月分のお小遣いが浮いた人は、そのお金を趣味や貯蓄に回すことができる。わずかな心がけが大きな差を生み出しているのだ。だから、節約下手を直すには少ないお金でも大切にする習慣を身に付けよう。
財布の中身をキレイにしよう
お金を大切にする人の特徴を見ると、財布の中身をキレイにしていることが多い。では、財布をキレイにするときのポイントを見てみよう。3つのチェックポイントがあるので、あなたもどれができているかを考えながら読んで欲しい。
1.お札を揃える
お札は「一万円札」「五千円札」「千円札」と分けて、向きも揃えるようにしよう。小銭も分けるとなおよい。参考までに私の場合、小銭を入れる場所が2つあるので、「百円玉・五百円玉」と「五十円玉以下」に分けている。個人事業主として開業届を出してから始めた習慣だから、じつに3年以上続いている計算だ。
2.レシートやカードは小まめに処理する
レシートやポイントカードをもらうことは少なくない。さらに、私は領収書を受け取る機会も多く、1週間で財布の中がぐちゃぐちゃに汚れてしまう。すると、お金がいくらあるか分からなくなるので、小まめに処分するようにするとよいと言われている。例えば、キャッシュカードや診察券も、本当は必要なときだけ持って行くのがよいが、なかなか実践できない。
3.必要以上にお金を持ち歩かない
お金を持っていると気が大きくなる人もいるだろう。しかし、必要以上の金額を財布に入れていると、無駄遣いをしてしまうリスクが増える。自分の生活にふさわしい所持金を決め、どこまで使ったら補充するというルールを作ると、お金は貯まりやすくなるはずだ。私はお金を持ち歩く癖があるため、これはできていない。
お金を大切にする習慣で自然とお金は貯まる
「お金が貯まる財布」について、私は1勝2敗という結果だったが、あなたはいかがだったろうか。節約下手にありがちな行動パターンを理解し、お金を大切にする習慣を身に付けたら、自然とお金は貯まるはずだ。思考は今すぐ変えることができるので、貯金を増やしたい方はぜひとも実践してみよう。