主婦やサラリーマンのお小遣い稼ぎだけでなく、資産管理や投資対象としても活用できるFX(外国為替証拠金取引)ですが、必ず勝てるというわけではありません。これは株式投資と一緒で、勝ったり負けたりする取引です。
しかし、勝ったり負けたりするとは言いますが、その勝率を高めたり負けても損害を最小限に抑えたりすることはできます。
そうしたリスク管理という視点でFXを勉強していけば、安定した成績を上げることは夢ではありません。
ぶっちゃけFXは勝てる?負ける?
FXは勝てる取引ですか?負ける取引ですか?と聞かれることがよくあります。
これに対する答えは、プレイヤーの性格や情報量によって決まりますという答えになります。
また、必ず勝てる方法はありますか?という問いですがその方法はありません。しかし、負けなくする方法はありますか?といわれたらあります。
必ず勝てる方法はありませんが、必ず負ける方法はあります。こうしたことは、ある意味でどんな分野にも通じる真理の1つの形なのでしょう。
FXは勝ち負けがはっきり出るものではなく、長期的に収支がプラスになっていればよいというものです。
日々の収益に左右されずに1か月、3か月、1年ぐらいの収支をベースに考えることができれば、おのずと相場を見る目も養われていくでしょう。
FXに勝つために必ず知っておかなければならない言葉
FXや株式取引などの投資について情報と知識は何よりも重要です。ここでは、FX初心者が必ず知っておかなければならない用語と知識についてまとめてみました。
強制ロスカット
ロスカットとは、トレーダーが元金以上の損失を追ってしまうことを防ぐために自動的に行われる強制決済を指しています。FX会社それぞれで定められている一定のラインを証拠金維持率が下回った場合に強制ロスカットとなるのです。
例えば、証拠金15万円を入れて、1ドル=100円の時に1万ドル(1万通貨)の買いポジションをレバレッジ25倍で持ったとしましょう。すると、証拠金維持率はこうなります。
有効証拠金11万円(証拠金15万円-必要証拠金4万円+含み損益0円)÷必要証拠金4万円(100円×1万通貨÷レバレッジ25)×100%=275% |
さて、この状態から、1ドル=90円まで相場が暴落した場合、証拠金維持率はどうなるでしょうか。ちなみに、含み損は10万円です。
有効証拠金5万円(証拠金15万円-含み損10万円)÷必要証拠金3.6万円(90円×1万通貨÷レバレッジ25)×100%=138% |
この場合はまだ38%の余裕があるとはいえ、強制ロスカットまでもうすぐといった状態になっています。
含み損が10万円もあるため、現在あなたの元金は5万円となっていると考えてください。
ちなみに、この証拠金維持率が100%を切るということは、あなたが借金を背負ってしまうということになります。
そうしたことがないようにFX会社はこの証拠金維持率が一定水準以下になると強制的に決済をしてしまうのです。これが強制ロスカットです。
ただし、強制ロスカットを行うとはいえ、急激な相場変動であったり、週明けの始値が週末の終値とかなり乖離した状態で始まるなどのFX会社でも対応できない場合は、そのまま借金を背負う可能性があります。
強制ロスカットがあるから大丈夫と考えずに、自分の資産は自分で守らなければなりません。
証拠金と証拠金維持率
FXは一定額以上の金額を担保としてFX会社にまずお金を入金します。そしてそれを元に取引を行っていくのです。この担保となるお金のことを証拠金といいます。
基本的に証拠金は、現金のみが可能で株式などの有価証券の類は証拠金として活用することは難しくなっています。
この賞金には最低ラインがあり、取引する額の2~5%程度と定められているため、少ない金額の取引では少ない証拠金が、多い金額の取引では多い証拠金がそれぞれ必要になってきます。
証拠金維持率とは先ほどの強制ロスカットで大活躍した数値であり、証拠金の残高の割合のことを指します。
強制ロスカットが発生する前に、証拠金維持率が一定まで下がるとマージンコールという証拠金を追加するか決済をするかして証拠金を守るアラームが設定されています。
為替差損
FXは為替レートの変動を利用して、その通貨同士を取引し合うことで利益を出す仕組みです。この際、利益が出ると為替差益と呼び、損害が出ると為替差損といいます。
FXは「買った通貨の価値が上がる」か「売った通貨の価値が下がる」かのどちらかで為替差益が発生します。
ということは、「買った通貨の価値が下がる」か「売った通貨の価値が上がる」ことによって為替差損が発生するのです。
スワップポイント
世の中の通貨には利息が定められており、それは通貨ごとに違います。そのため、FXではこうした利息の違いを埋めるためにスワップポイントという仕組みを導入しています。
日本では超低金利となっているため、多くの通貨取引においてこのスワップポイントはプラスに働くのです。この金利差を上手く活用することで利益を上げることができます。
また、このスワップポイントは「買い」すなわち、通貨を所有することで発生するため、「売り」のポジションで入った場合はスワップポイントにマイナスがかけられます。
つまり、スワップポイントがプラスの通貨に対し、「売り」で入るとマイナスのスワップポイントが、「買い」で入るとプラスのスワップポイントが入るということになります。
このあたりは、自分で経験した方が理解は早いでしょう。
レバレッジ
レバレッジとは、先ほど出てきた保証金に掛け算を行うことで、より多くの金額を取引に活用できるというものです。レバレッジは1万円でも可能と呼ばれるFX最大の特徴といっても良いでしょう。
イメージとしては1万円の証拠金で10万円分の通貨を動かすといったものです。そのため、儲けが10倍になると考えてください。
一方で、損失も10倍になります。FX初心者としてはまずはあまりレバレッジを掛けずに、自分の投資勘や経験を培っていくことが大事だと考えてください。
ポジション
FXではポジションという言葉がよく用いられます。決済して利益や損失が確定する前の状態を指します。
そして、「買った通貨の価値が上がる」ことを目的に通貨を買うことを買いポジション・ロングポジション、「売った通貨の価値が下がる」ことを目的に通貨を売る(これを空売りといいます)ことを売りポジション・ショートポジションと呼び、こうした動き自体をポジションメイク或いはポジションを建てると言います。
このポジションメイクを上手く行っていくことによって、どのような相場でも利益を上げることができるのがFX最大の特徴です。
このポジションメイクと利益や損失を確定させる決済をタイミングよく行っていくことで為替差益を狙っていきましょう。
FXで勝つにはリスク管理が何よりも大事!
FX初心者としては、今上げた6つの言葉をしっかり間違えずに覚えておけば、FX用の参考書なども理解を間違えずに読み進めることができるでしょう。
FXや投資を行う上で何よりも重要なのは情報と知識です。これらが間違っていれば、どんな相場でも勝つことはできません。
また、FX上級者や有名トレーダーも、全ての相場で勝ち続けているわけではありません。時には負けることも有るのです。
大事なことは自分の中での決まり事とメンタルで、この2つをしっかりと見極めることで、負けた時の損失を最小限に、買った時の利益を最大限にできます。
FXの勝率は3割から多くても5割程度といわれています。そのため、損害を減らしていくのかと考えられるリスク管理が、最終的に勝ち越しを得る重要な要素なのです。