30代前後というと、ある程度経験を積み、さまざまなスキルを身に着けている年齢であると同時に、「このまま今の仕事を続けていいのか」と悩み始める人が多い時期でもあります。
しかし女性の場合、30歳前後といえば結婚や出産、子育てなど、今後さまざまなライフステージの変化が想定される年齢。なかなか転職に踏み出せなかったり、「転職しても失敗するのでは…」と警戒したりしている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、転職してキャリアを積むために、女性が事前に考えておくべき転職のポイントを3つご紹介します。
1.転職で最優先したい条件を決める
転職したい理由がひとつの方もいれば、複数の条件を叶えたいという方もいるでしょう。しかし後者の場合、すべての条件を叶えるのは至難の業です。
転職を成功させるためには、事前に「最優先したい条件」について考えておくのがよいでしょう。
「最優先したい条件」とは?
その名の通り「ここだけは譲れない」という条件のことです。例えば以下3つの転職動機を持つ女性がいたとしましょう。
- 残業が多すぎる
- 年収が少ない(実績を正当に評価してほしい)
- 勤務地を一定にしてほしい(転勤したくない)
上記すべてを叶える転職先を探すのは、男性であっても難しいものです。結婚・出産などのライフステージの変化を迎える可能性のある女性の場合はなおのこと。無理に全てを叶えようとすると、転職に失敗したり今の職場に居づらくなったりするおそれがあります。
その場合はいずれかひとつを「最優先したい条件」として転職活動を行うのがおすすめです。たとえ他のふたつの条件が叶わなかったり、今よりも悪くなったりしても、「最優先したい条件」が叶う職場を軸にすることで、転職が成功しやすくなります。
「最優先したい条件」を決める際のポイント
上記の通り、最優先したい条件以外は現状維持か、今よりも内容が悪くなる可能性があります。それでも叶えたいものを「最優先したい条件」としましょう。また業種や職種によっては、年齢の問題で条件を叶えるのが難しい場合もあります。
ある程度転職したい業種や職種が決まっている場合は、事前に複数社の応募資格を確認したり、転職エージェントを利用して年齢の傾向を聞いたりして対策を取ったほうがよいでしょう。
最優先したい条件」を叶えるためには
いざ転職活動を始めると、「最優先したい条件」が悪くても、他の条件で魅力的な職場が現れたりするものです。しかしこうした条件に左右されず、「最優先したい条件」を叶えるという軸を持って転職活動に臨むことが大切です。
どうしても見つからない場合は、業界を変えてみたり、転職エージェントを利用したりするのもよいでしょう。業界トップクラスの求人数を誇るリクルートエージェントでは転職サイトに掲載されていない非公開求人の紹介や、言いだしづらい年収交渉まであなたに代わってサポートしてくれます。
転職を考えている方はこのような転職エージェント活用すると良いでしょう。
2.転職したい職種・業種に合わせて転職活動を行う
希望の業種・職種がある場合は、その動向や転職成功の傾向などについてチェックしておきましょう。業種・職種によっては、応募資格には入っていない「年齢の壁」が存在することもあるため、すぐにでも行動しないと成功が望めない場合があります。
事務職への転職は早めに行動を
30代以降、難しいといわれるのが事務職への転職です。
これらは未経験でも始めることができるほか、人材不足の場合は派遣や契約社員に依頼することもできるため、「経験豊富な中途社員の採用」にそれほど積極的でない企業が多い傾向にあります。
また事務職は年齢を問わず人気が高く、世の中が売り手市場であっても比較的高倍率であることが多い職種。事務職での転職を望むなら、できれば30代になる前に行動しておくことをおすすめします。
もちろん30歳を超えても事務職に応募することはできますし、事務経験が豊富な方や業界において重宝される事務スキルを持っている方は、年齢にかかわらず企業が欲しがる人材となれるでしょう。
しかし事務職未経験だったり、経験があっても特出したスキルを持っていなかったりする場合は、転職活動に苦労する可能性が高いことを覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
他の業種・職種にも転職成功に傾向が
事務職以外でも、ある程度若い人が受かりやすかったり、ある資格を持っていないと採用されにくかったりすることがあります。
資格については応募条件に記載されていることが多いですが、場合によっては数年かかっても取得するのが難しかったり、実習が必要になったりするものも。転職活動だけでも大変なのに、資格の勉強や実習まで行うのは本当に大変なものです。
希望の業種・職種がある場合は、応募条件を確認したり経験者の口コミが掲載されている転職サイトをチェックしたりして、どんな準備が必要か、いつから始めるのが良いのかなどを考えておくと良いでしょう。
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3.ライフステージについて考える
男性以上に、女性はライフステージの変化に仕事が左右されやすいものです。これから結婚・出産・子育てを考えているなら、こうした変化を加味した上で、転職活動を行う必要があります。
転職における結婚・出産・子育ての影響
一昔前に比べると、女性の転職に対する理解や雇用の幅は広がってきたものの、まだまだ転職において結婚・出産・子育てが、採用に少なからず影響することは事実です。これは「一人の人に長く働いてもらいたい」「できるだけ他の社員に負担をかけたくない」と思う企業の気持ちが反映しているためだと考えられます。
例えば結婚した相手が転勤族だった場合、仕事を辞めて夫についていくとなると、ひとつの場所で長く仕事をすることは難しくなります。
また出産・子育ての場合は産休や育休で長期間職場を離れることになるため、代わりの人を用意する必要が。また子どもの体調や行事などで休まなければならなくなることもあるため、他の社員に負担がかかる可能性があります。
結婚・出産・子育ては人生を豊かにする素晴らしいものですが、採用希望者を募る際に、企業が女性に対してこうした懸念を持っている可能性は、少なからずあります。
もちろん「それでも来てほしい」という企業は数多くありますが、こうした懸念を持つ企業が多い以上、結婚・出産・子育てについては計画性を持っておいたほうが、転職を成功させるうえでは重要といえるでしょう。
転職活動自体ができない場合も
すでにお子さんがいらっしゃる場合、体調不良や学校の行事などで有給が残っていないという人もいるのではないでしょうか。面接などは平日に行われることがほとんどのため、有給が残っていない場合、転職活動自体が難しくなる可能性があります。体調不良は突発的なものなので、なかなか調整は難しいものです。
しかし近々転職を視野に入れているならば、夫や両親などに協力を仰いだり、調整の着く予定は平日に入れないようにしたりして、できるだけ有給を残す計画を立てておくほうが動きやすくなります。
結婚・出産を予定しているなら転職は控えたほうが吉
今後結婚・出産を間近に控えている場合は、一旦転職を控えたほうが良いでしょう。採用が難しいだけでなく、採用先の企業にも迷惑をかける可能性があります。企業が採用活動を行うのは人材を補うためです。さらに中途採用では即戦力として働いてくれる人材を求めています。
しかし結婚後転勤してしまったり、出産して長期休暇に入ってしまったりすると、企業はまた人材を採用しなくてはなりません。
採用にはある程度コストと時間がかかるため、企業としても採用した人にはできるだけ長く働いてほしいと思っています。ここでミスマッチが発生すると、せっかく採用してくれた転職先に大きな迷惑をかけてしまうことになりますし、辞職や長期休暇の前に揉める可能性も。
どうしても転職したい場合は、面接の段階で結婚・出産の予定があることを伝えておいたほうがベターです。採用のハードルは上がりますが、お互いに不幸になることは避けられるでしょう。
出産の場合、企業によっては「戻ってきてくれるならぜひ入社してほしい」と言ってくれるところもあるので、正直に話しておくのがおすすめです。
まとめ
1.転職で最優先したい条件を決める
他のふたつの条件が叶わなかったり、今よりも悪くなったりしても、「最優先したい条件」が叶う職場を軸に転職活動を行うほうが、結果的に成功しやすい
2.転職したい職種・業種に合わせて転職活動を行う
- 事務職はできれば30代になる前に行動を
- 応募条件や業種・職種の採用傾向をチェックして資格取得など事前に準備しておく
3.ライフステージについて考える
- 結婚・出産・子育ては転職活動に少なからず影響する
- 有給を使いすぎて転職活動できない場合も
- 結婚・出産を間近に控えている場合は転職を控えたほうがいい