世の中には、お金を貯めるのが得意な人もいれば、全く不得手な人もいる。
僕はもう完全に後者だ。
血筋なのか、母親もまた、一銭の貯蓄もできない性質をしていた。
とにかく財布にある分、口座にあるだけ使ってしまう。
欲しい物があるからお金を使うのではなく、お金があるから欲しい物を見繕ってしまうという最悪なお金との向き合い方をしている。
そんな、なかなか貯蓄が苦手な僕が、先日貯金が上手な知人から有用なアドバイスを受けた。
なるほど白眉に感じる言葉だったので、今回はきっと僕以外にもいるであろう貯金ができない社会人の方々のためにも、こちらで紹介してみよう!
お金をお金と思うな!お金はエネルギーで、使うと減る!
この知人、貯金が上手というか、ぶっちゃけ無駄遣いをしようという気、そのものがないという、なんとも素晴らしい人物。
うらやましくって仕方がない。
しかし、最初からそういう性質だったというわけでもない。
現在40代の彼は、25歳頃までは浪費癖を持つ、どちらかと言えばこっち側の人間だった。
そんな彼はあるとき、お金についての考え方を変えるきっかけを掴んだ。
表題にあるように、お金を紙幣や通貨といった普通の見方で捉えるのではなく、ゲームなんかでよく用いられる、エネルギーという概念で捉えるように努力してみたのだ。
彼は言う。
「お金をお金と考えるからすぐに交換したくなる。お金はエネルギーで、基本ストックしておくもの」
お金を消費型のエネルギーと考えておけば、やたらめったら使おうとは思えなくなる。
そりゃあ欲しい物は手に入るけど、代わりにエネルギーがなくなっては元も子もない。
肝心なのはエネルギーの温存容量を設定すること…?
ただ、そうは言ってもエネルギーを無尽蔵にストックしていたら、欲しい物もいつまでも買えないし、旅行もできなくなる。
それはさすがに窮屈ってものだ。
だからこの知人は、そもそもお金をエネルギーとして捉えた当初から、温存する際の容量を設定していたという。
「毎月50,000円貯金しようと思っても貯金できないのが俺たちだろ?
その程度の簡単な目標すらクリアできないから、俺は自分の頭に、お金をエネルギーと曲解させてるんだ。
その上で、たとえばエネルギーを、毎月最低限このぐらいはストックしておきたいという数値で設定するんだよ。
月に50,000円の貯金という目標を、50,000ポイントのエネルギーをストックするという考え方に換えてしまうんだ。強引に。
そして、この50,000ポイント以上の余剰分を、『これは翌月以降に持ち越しできない、使わないと損なお金に変換された』と思い込むんだよ。
そうしたら欲しい物も買えるようになるし、貯金をする際にも上手に自分を騙せる。少なくとも俺は馬鹿だから、この滅茶苦茶なルールにも納得してるよ」
正攻法で貯金ができない人って、使っちゃいけないお金にまで手をつけることも多い。
こういう自分が恥ずかしいとか、情けないと思ってしまうこともしばしばある。
だけど、それでも使い込んでしまうのが心の弱い、貯金の苦手な人々なのだ。
そういう人々には、この知人のようなルールを無理やりにでも頭に刷り込ませること以外には、なかなか貯金に繋がる手段は実践しにくいのかもしれない。
実践してみたところ、案外どうにでもなることが判明
お金はあればあるだけ安心を得ることができる。
浪費は一時的に心を満たすが、後になって考えると空しいものだし、お金も減っている。
それに比べれば、こういう、お金をエネルギーと考えるという貯蓄方法というのは、有効なものかもしれない。
10月の終わりにこの話を聞いた僕は、11月の末日まで、とりあえず猿真似で実践してみた。
すると、目的の金額の貯蓄には成功した。
ということは、ある程度考え方次第でどうにでもなるということだ。
貯蓄が苦手でも、思考を変えていけばそう難しくない。
(文/松本ミゾレ)