年収は400万円ならいくら払えばいい?子どもの養育費問題

年収を上げたい        2016年12月13日

(この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。)


  • 最近、日本の貧困率が世界的にみても問題となっています。この貧困率の話をする時に出てくるのが子どもの貧困です。そして子どもの貧困が問題になっている中で、一緒に取り上げられるのが母子家庭の貧困の問題です。

    子育てとの両立から正社員で働くことが難しくパートやアルバイトなど非正規社員で働くことが多くなり十分な収入を得ることができず、1ヵ月の収入が15万円程度という母子家庭も珍しくはありません。

    多くの人は母子家庭であれば離婚した夫から子どもを育てるための養育費が支払われるのでは?と思うのですが、実際に養育費を支払っている人の割合は少なく、最初は支払っていても途中で支払いがなくなってしまうケースやDVや借金などが原因で離婚をした場合にはなかなか請求することができない、また無い袖は振れないなど請求を諦めるケースも多くあります。

    どのような事情があるにせよ、養育費は子どもの権利であり、子どものいる夫婦が離婚を考える時には親権と一緒に養育費についてもしっかりと話し合わなければなりません。

    養育費は子どもの権利

    日本の離婚率

    日本の離婚率は全世界で36位です。平成27年度に厚生労働省が発表した人口動態統計では1,000人に1.77人が離婚をしたという結果となっています。

    この統計から主要国の離婚率を1,000人あたりの数字で見てみると日本は6位となっています。ちなみに1位はロシアで社会情勢などの変化などが離婚理由となっており、2位はアメリカです。

    世界的に見ると日本の離婚率は悪くはないのですがこれだけでは一概に良いとは言えません。

    養育費の支払いはいかなる事情があっても義務

    夫婦が離婚をする時に未成年の子どもがいる場合はどちらが親権を持つのかを決める必要があります。親権に関しては離婚理由や子どもの養育環境などにもよるので、お互いの話し合いの上で決めていきます。親権が決まったら次に決めなければならないのが養育費についてです。

    養育費は子どもの権利となるので子どもの親権を得た親は親権を持っていない元配偶者から子どもを育てていくための養育に関する費用を請求することができます。これが養育費であり、基本的には親権を得ていない元配偶者が支払わなくてよい理由はありません。

    例えば妻の不貞によって離婚が成立したが、未成年の子どもの親権が妻にあり子どもを養育しているのも妻であるという場合でも元夫は養育費の支払いを拒否することはできず、子どもの養育のために元妻に養育費を支払う義務があります。

    また夫からのDVによって妻が逃げるようにして離婚が成立した場合、元妻が元夫からの養育費を拒否しても子ども自身が請求できる場合もあります。

    養育費は夫婦の離婚理由や経済状況などに関係なく子どもの権利として請求することができるものです。

    養育費を受け取っている母子家庭はごくわずか

    子どもの権利として認められている養育費ですが、夫婦の離婚理由や経済的な事情などにより養育費が支払われている母子家庭は全体の約20%ほどです。

    最初から養育費を受け取らない、支払わない場合もあれば、途中から支払いがなくなったなど、様々な事情があるようですが、養育費の不払いが母子家庭や子どもの貧困に繋がっているのは確かです。

    養育費の支払いを拒否されないためできること

    離婚した夫婦に養育すべき未成年の子どもがいる場合には養育費の支払いを拒否することは基本的にはできません。ですから養育費の不払いを防ぐ方法を使って、できるだけ支払いが滞らないように離婚する時に夫婦間で取り決めておく必要があります。

    そのためにはまず口約束ではなんの効力もないことを知っておきましょう。取り決めた養育費を確実に受け取る方法としては離婚協議書として書面に残します。

    これが養育費を確保する最善の方法であり、離婚協議書を公正証書として残すことで不払いが起こった場合には預貯金や給与などの財産の差し押さえなどをして強制的に回収することができます。養育費の場合は一度でも支払いが遅れると強制執行で差し押さえをすることができます。

    養育費の金額の決め方は?

    養育費は原則として養育費を支払う側の将来の経済状況は考慮することなく、離婚成立時の経済状況を元に話し合うことになります。

    つまり将来的に出世をして給料が上がる、左遷されて給料が激減する、会社が倒産して収入がなくなる、などの未来については確実ではないので考慮しません。

    どこまでを養育するのか?

    まず養育費には

    • 子どもの衣食住のための費用
    • 医療費
    • 幼稚園や保育園から大学までの教育費

    などがあります。教育費に関しては

    • 学習塾や予備校の受講料
    • 家庭教師を雇うための費用
    • 公立や私立を含めた学校の受験料
    • 授業料
    • 教材費
    • クラブ活動

    などが含まれており、養育費の目安としては養育費を支払う側の学歴水準と同水準の教育を受けさせるために必要な費用となるのです。

    例えば夫が大学まで出ている場合には子どもも大学まで卒業して初めて自立した社会人となると考えられるので、離婚しなかった場合の生活と同等の生活を送り、教育を受けることができる程度の養育費が支払われるべきとされています。

    このことを踏まえて年収400万円で未成年の子どもが二人おり、親権を妻に譲った場合、夫は毎月いくらの養育費を支払わなければならないのか算出してみましょう。

    年収400万円、子どもは二人、養育費はいくら?

    Aさんの家庭は夫の収入のみで年収400万円、妻は専業主婦、小学生の子どもが二人います。夫婦での話し合いの結果、離婚をすることになり、子ども二人の親権は妻が持ち養育することになりました。

    では夫は妻に対して子どものための養育費を毎月いくらぐらい支払うべきなのでしょうか。

    まず養育費の金額を決める際にひとつの目安となるのが養育費算定表です。養育費算定表とは家庭裁判所の有志によって構成された研究会によって作成されたものであり、

    • 子どもの年齢
    • 子どもの人数
    • 支払う側の年収
    • 受け取る側の年収

    の4つデータを元に裁判所が考える養育費の目安がわかるようになっているものです。この養育費算定表を使ってAさんが支払う養育費を見てみると

    • サラリーマンの場合・・・6~8万円
    • 自営業の場合・・・・・・8~10万円

    となります。

    年収400万円の独身のサラリーマンであれば手取り年収は300万円前後となり、単純に12ヵ月で割ると1ヵ月の収入は25万円となり、ここから6~8万円の養育費を支払うことになります。

    支払う側の状況によっては養育費算定表を目安とした金額では経済的に困窮してしまう、受け取る側も養育費を高く設定することで支払いが滞ってしまうのが不安などの理由から養育費算定表をひとつの目安としながら、話し合いによって養育費の金額を決めることがほとんどです。

    養育費の相場はどれくらい?

    子どもが一人の場合の養育費の相場としては4万円以下が一番多くなっています。また子どもが二人いる場合でも4万円以下が多くなっており、毎月10万円前後を支払っているという人はごくわずかです。

    養育費を受け取っている人が全体の約20%なのでその中でごくわずかとなるとほんのひと握りではないでしょうか。

    養育費はいつまで支払うのか?

    年収400万円で子どもが二人いるAさんの場合、養育費算定表を目安にすると毎月6~8万円を支払い続けることになります。ではいつまで支払いをしなければならないのでしょうか。

    子どもの権利ですし、受け取る側からすると少しでも長く支払って欲しいと思うのですが、支払う方としては支払い終期がやはり気になります。

    養育費の支払いの終期の定義は子どもが扶養を要しない状態になった時です。

    一般的には子どもが20歳、つまり成人に達する月までとされています。ですが中には大学などに進学して20歳の時点で社会人になっていない場合もあるでしょう。

    現代では約50%の子どもが大学に進学する時代となっているので大学を卒業する年齢であれば基本的には22歳となり、逆に大学に進学せずに18歳で社会人になれば養育費の支払いも18歳で終了となります。

    妻が再婚した場合の養育費はどうなるのか?

    離婚後の子どもの養育費はいつまで支払うのか?また元配偶者の再婚は養育費の支払いに影響するのか、養育費の支払いを拒否する場合、養育費を支払っている途中で元妻が別の男性と再婚をした場合など、養育費の支払いは必要なのでしょうか。

    この場合は再婚相手が子どもと養子縁組をしているかがポイントになります。

    養子縁組をすると扶養義務が発生するので経済的に問題なく子どもを養うことができるのであれば養育費の減額を元妻に請求することが可能となりますが、これは相手次第となりますし、再婚して減額が認められたからと言って養育費の支払い義務がなくなるわけではありません。さらには再婚相手に経済的な余裕がない場合には従来通り養育費を支払う必要があります。

    また支払っている側の経済状況が著しく悪化した場合や障害を持って働くことができなくなった場合には、家庭裁判所に申し立てをすることで事情の変更として減額が認められることもあります。

    (文/中村葵)


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    中村葵
    中村葵
    主婦をしながらライター業に勤しむ福岡県在住の主婦。小学1年生の息子との時間を最優先にするために在宅で仕事を続けている。人生山あり谷ありをリアルに体験したことが幸いしてなのか様々なジャンルで記事が書けるようになる。得意なことは毎週日曜日に一週間分の献立を立てて買い出しに行き材料を一週間で使い切ること。趣味は愛兎を撫でること。

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