家計簿

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500万円を10年預けて利子は20万円?いっそ箪笥預金なら

投稿日:2016年3月16日 更新日:


不肖わたくし松本ミゾレ、30代前半にありながらいまだ銀行に大して縁がない人生を送っている。家がほしいわけでもないし、大金を有しているわけでもないから、銀行からしても雑魚のような存在でしかない。

ところで先日、銀行にお金を預けるのが不安という人と話をする機会があった。まだ20代ながら、何となく貯金をしていたら1000万円貯めていたという変わり者だ。趣味が貯金。特技も貯金。お金を使うことよりも、預金残高を眺める方が好きなのだというこの人物、仮にK氏と呼ぼう。このK氏が、面白い話をしていた。

銀行に預けるのが不安……その理由は?

K氏の実家は、1980年代まではそこそこの資産家だったという。しかし、現在父親は既に亡くなり、母親はアパートでひとり暮らしをしているのだとか。

そのきっかけは、バブル崩壊。色々と手広く商売をやっていたようだが、彼の知る限り、1992年頃には持ち家を手放し、1995年には父親は過酷な肉体労働に従事するようになったそうだ。人生、何が起きるか分からない。

悲劇はまだまだあった。K氏の父親が信頼していたK氏の兄が、一家のなけなしの預金を勝手に引き落として蒸発してしまった。爪に火を灯すような苦しい生活は、つい何年か前まで続いた。

現在はK氏の稼ぎもあって母親も最低限不自由のない暮らしをしている。だが、こういう経験もあって、K氏は銀行にお金を預けることに強い不安を感じるようになったのであった。それは預金額が増えれば増えるほどおさえ切れないプレッシャーとなった。

利子も付くから預けないと勿体ないのでは?

ここで僕は、「でも銀行に預けておけば、多少の金利は付くでしょ?」と質問してみた。K氏はこの問いに、暗い顔でこう答えている。

「現在、500万円を銀行に預けています。これ、10年定期預金なんですけど、金利が確か……0.3パーセントか0.4パーセントだったかな?仮に0.4パーセントなら、いずれ受け取れる利息はせいぜい200,000円。増えることは嬉しいけど、『10年預けてこれか』と考えることもあります。

それと、利率云々より、仮に僕が印鑑やら通帳やらカードを盗まれてしまうと、その時点で預金は奪われてしまうかもしれない。これが一番怖いんですよ。増える可能性より、無くなるリスクが、怖いんです」

なるほど、色んな人がいるもんだけど、K氏は徹底したネガティブ人間のようだ。でも、常に最悪の展開を想定しているってことは、実はかなり凄いことにも思える。

導き出した答えは、「自宅で管理する」だった!

銀行に預けても不安……こう語るK氏だが、では預けていない残り500万円はどこにあるのか。実はK氏いわく、自宅に頑丈な金庫を用意し、そこに保管しているというのだ。

この金庫だけでも結構な買い物だったようだが、耐震、耐火性能は抜群。セキュリティ面でもかなり安心できるものだという。金庫を手に入れたことで、K氏は少なからずホッとしたということだ。

最近はパソコンにウィルスが感染したことによって、勝手に預金が引き出されるというネット犯罪も問題となっている。預金をあずけている銀行が、何らかの理由で破綻しないとも言い切れない。利子が付くのは預金をする上でのささやかな楽しみだが、もろとも失っては元も子もない。

一方でK氏のように、自宅で箪笥預金をする場合も、ちょっと無理すれば泥棒が金庫ごと持ち去る可能性もないわけではない。結局どういう方法であっても、リスクは残る。

それならせめて、半分は手元で管理し、半分は銀行にあずけるという、リスクの細分化を図るという手段も、そんなに悪くはないように感じた。めんどくさいけど。

(文/松本ミゾレ)

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