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無欲な「ハチイチ世代」の、驚きの起業事情

投稿日:2016年5月23日 更新日:


ここ数年、ベンチャー企業の起業家の世代交代が進んでいます。ここ最近注目されている起業家たちは、「ハチイチ世代」と呼ばれる世代が多いです。

「ハチイチ世代」の特徴は、無欲で自らイノベーションを起こそうと考える人たちだと言います。かつての「お金のための起業」に対するカウンター的な世代ですが、今回は「お金のためのベンチャー」の是非について考えてみましょう。

ハチイチ世代は草食系?

日本におけるベンチャー企業と言うと、「拝金主義」「変人」「一発逆転狙い」などのイメージがあったと思います。しかし、今の起業家たちはそれぞれが課題を持ち、解決するために動いているのです。

かつてのベンチャー成功者たちは、「ヒルズ族」と呼ばれるように、起業してから六本木ヒルズに入居するまでの期間を競っていました。彼らがガツガツ稼ぐ肉食系であるのに対し、「ハチイチ世代」はお金に見向きもしない草食系の傾向があります。

その理由は、「ハチイチ世代」が生まれた頃からデフレだったからだと考えられています。また、大企業も倒産する時代で育ったため、「自分たちの力でイノベーションを起こそう」という気概があるのだそうです。

若者は欲を持つべき?

世の中の課題を見つけて解決する――。このように表現するとカッコイイですが、「ハチイチ世代」は無欲だと思われるかもしれません。ここで肉食系のベンチャーを代表すると言っても過言ではないとある人物の声を見てみましょう。ワタミ株式会社の渡邊美樹代表取締役会長(2007年当時)は、ベンチャー通信29号(2007年12月号)で以下のように話しています。

「起業時の動機が“自分自身が物質的に豊かな生活をしたい”でもいいんです。(中略)とにかく欲を持つことです。欲があれば、人はチャレンジします。」

自分自身が欲を持つことは悪いことではありません。初めのうちは、コンプレックスや野望から始まるベンチャーでも問題ないと思います。もし、どこかで成長の壁にぶつかったとき、改めて次の目標を立てればよいと言うのです。

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階渡邊美樹氏の意見は、「ハチイチ世代」とは真っ向から対立しますが、これはこれで一理あるのではないでしょうか。自分の欲だけを満たそうとしても限界が訪れるからです。自分自身の欲が満たされたら、次は社会貢献をしたくなります。これは、「マズローの欲求5段階説」でも証明されているのです。

マズローの欲求5段階説は本能の欲求から始まります。次に、第2段階として安全や健康を、第3段階では集団や仲間を求めるようになるのです。おそらく、多くの日本人はここまでをクリアしているのではないでしょうか。

第3段階まで満たされると、第4段階では他者から認められたいと思うようになります。ここが、ベンチャー起業を立ち上げる最初の段階という人もいるでしょう。最初は欲があってもよいという渡邊美樹氏の発言は、もしかしたら他者から認められることこそがベンチャー企業のスタートだという意味なのかもしれません。

マズローの欲求5段階説の最終的なゴールは、自己実現欲求を満たすことです。これは、自分の能力によって多くの人を幸せにすることを指します。これに気付くか否かで、企業や人間が大きな成長を遂げるかどうかが変わるのです。

欲は変化することを知ろう!

冒頭では、「お金のためのベンチャーに対する是非を考えるべきだ」と、お話しました。今は草食系の「ハチイチ世代」が優位に立っているので、拝金主義的なベンチャー企業はかっこ悪いものだと見られるかもしれません。

しかし、マズローの欲求5段階説をもとに考えると欲は変化するものです。初めはお金のために頑張ろうと思う人も、決して恥ずかしいものではありません。起業したいという気持ちがあるなら、まずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(文/三堂有人)

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